カシミヤといえば「繊維の宝石」ともいわれ、洋服における高級素材の代表格です。
カシミヤは非常に高価な素材ですが、高価なことには理由があります。
カシミヤという素材について説明し、なぜ高いのかを述べていきます。
しかし、同じカシミヤ100%のニットでも高級ブランドでは10万円を超えるものもザラにあるのにユニクロだと1万円程で購入することができますが、その差って何か分かりますか?
カシミヤとは
カシミヤとはカシミヤ山羊の産毛になります。
カシミヤ山羊の毛でも表層部分はカシミヤという品質表示は使えません。
特徴
一般的なウールの繊維の太さは20ミクロン前後ですが、カシミヤの繊維の太さは14〜16ミクロンと繊維が細くて均一であり、保温・保湿に優れています。
また、肌触りもよく、上品な光沢もあります。あと、凄い高額です。
何故高い?
特徴からもわかるように、カシミヤはアパレル用品に使われる素材としてウールよりも優れています。
しかし、性能がよくて需要が高くとも供給が少なければ価格は高くなります。
ということで、価格が高い理由は供給量が少ないのです。
カシミヤ山羊は寒暖の厳しい地域に生息していないとカシミヤが取れません。ですので、カシミヤを採取できるカシミヤ山羊の飼育数は平地で飼育することができる羊と違い圧倒的に少ないのです。
また、カシミヤ山羊は年1回しか毛刈りができず、産毛のみがカシミヤなので一頭の一回当たりの採取量は150グラム〜250グラムでセーター1枚に約4頭分のカシミヤ山羊の原毛が必要になると言われます。
これだけ、供給量が少なく性能的にも優れた素材ですので高価なのは当然です。
カシミヤ原料の等級について
高いカシミヤ原料ですが、その中でも品質によって区別され等級分けされています。
基準は繊維の細さと繊維長、ヘヤー混率で決められ、特級から9等級までの10段階に分けられます。
昔は5段階だったようですが細かくなりました。
カシミヤ商品の価格の違い
同じような、シンプルなカシミヤニットでも10万前後するものもあれば、ユニクロのように1万円くらいで購入できるものもあります。
まずは原料の等級の違いです。誰もが欲しがるカシミヤ原料は特級になると欧米の高級ブランドしか取り扱えないといわれるほどです。等級の高いものは当然高額になり、等級が落ちるほどに価格は下がります。
次にカシミヤの使用量です。ハイゲージニットやマフラーなど、使用量が低い物は安価にできますし、ミドルゲージ以上のニットやコートになってくると使用量も増えるため高額になります。
また、カシミヤニットとなっていても、製品表示を見るとカシミヤと他の素材の混紡になっていてカシミヤ40%ウール40%ナイロン20%などになっていて、カシミヤの使用量を抑えている場合があります。
カシミヤ100%使用なのに定価でユニクロより安い、もしくは同じくらいの価格であれば偽物を疑いましょう。
カシミヤ原料に対して4倍のアパレル用品が流通してる、といわれるほど偽物が横行している素材です。
流石にユニクロが偽物を販売することはシャレにならないので、下限価格として参考になります。
最後に
カシミヤは素晴らしい素材で、洋服好きなら憧れの素材といってもいいと思います。
しかし、残念ながら世界で流通しているカシミヤ商品の多くが偽物だという悲しい現実もあります。
ですので、せっかく購入するのであれば高くとも信用できるブランド品を購入しましょう。ただ、そうすると5〜10万円程するので、そこまで出せない人は大人しくユニクロを購入しましょう。
品質管理もしっかりしてますし、最上級とはいえませんが、そこそこの物はかえます。
中途半端なブランドの場合、納入業者や、それ以前の生地屋が偽物を流すこともあります。
たまに品質表示違反でニュースになるのはブランド自体に悪意がない場合がほとんどです。
カシミヤ製品というのはブランドの力が発揮されるものになります。重ねて書きますが、カシミヤの扱いに長けたブランドの商品を購入しましょう。
私のカシミヤセーターを購入するのにオススメのブランドはこちらです。
以上、参考になれば幸いです。