洋服の売値に対する原価が高い洋服は良い服かといえば、そうでもない理由!

ファッション

最近、洋服の原価を気にする方が多くみえると思います。

コスパを考えるうえで原価を考えることは当然であり、私自身も気にしていました。

一般的に言われる洋服の原価について書いてから、自分の考えを示していきたいと思います。

洋服の原価率について

原価と原価率とは

そもそも原価と原価率って何でしょうか?

服の原価とは、その服を作るためにかかった費用です。

原価率は販売価格に占める原価の割合です。

例として販売原価が10,000円で原価が2,000円の場合の原価率を見てみましょう。

この場合の原価率は

2,000円(原価)/10,000(販売価格)×100(%)=20%

となります。

一般的な服の原価率は?

ズバリ書いてしまうと、一般的には30%前後です。

もちろん、メーカーにより違いますし、同じメーカーでもアイテム毎に違いがありますので、あくまで目安です。

そして、正確な数字を公表しているブランドも少なく、本当のところは実際働いている人たちにしかわかりません。

ZOZOの元社長の前澤さんが「いまお店で約1万円くらいで売られている洋服の原価がだいたい2000~3000円くらいだということを、皆さんはご存知ですか?」とツイートして物議を醸したことがあります。

アパレルに造詣の深い前澤さんの発言ですので、原価率30%前後というのは的外れではないと思います。

ブランドや販売店の儲けって?

3,000円で作った物を10,000円で売ってりゃ、ボロ儲けと思われるかもしれませんが、そうでもありません。

現状ではアパレル業界は非常に苦境に立たされています。

最近ではONWARDの店舗の大量閉店もありましたし、バーバリーのライセンスが終了した三陽商会も元気がありません。

何故かというと、現状の原価でもギリギリなのです。

1着あたり70%の利益になるとしても、売るためには人件費や流通費、広告宣伝費、や店舗の賃貸料などの様々なコストがかかります。

更には中々売れなければセールになって利益を圧迫しますし、それでも売れない場合は最悪処分となります。

洋服とはナマモノである!洋服を安く買うために知っておくべきこと!でも書きましたが、洋服の価値は時間とともに落ちていきます。

洋服の種類が多ければ売れる量も多いのですが、売れ残る量も増えて来ます。

総合的に考えると、現状の洋服の原価率は決して低くないといえます。

原価率が高いブランドは?

原価が高く純粋に服を作ることにコストがかけられているブランドがコスパが良いと思うので、そこで買いたいと思いませんか?

では、原価率が高いと言われるブランを3つあげます。

1,UNITED TOKYO,PUBLIC TOKYO

2つともセレクトショップのSTUDIOSを展開するTOKYO BASEが展開するオリジナルブランドで原価率50%以上の驚異的なブランドです。

ブランドコンセプトが原価率の高いクオリティの高い商品を提供することですので、安心感があります。

PUBLIC TOKYOは公式サイトであれば商品毎に原価率が記載されているので非常にわかりやすいです。

2.ユニクロ

みんな大好きユニクロさんです。

ネット情報ですが原価率は30%台後半といわれています。

品質が落ちたと言われますが、ユニクロの品質面でのコスパは異次元です。

詳しくは別記事であげたいと思いますが、他人とかぶる事を気にしなければ、低・中価格帯では最強といえます。

3.ZARA

実際に服を見たことがあると、少し意外に感じるかもしれませんが、原価率はユニクロと同じような30%台後半といわれています。正直、品質ではユニクロと同じか低く、デザイン性は高いが価格も高いイメージなのですが原価率は似たようなものです。

ということは、純粋に服の原価としては、販売価格が高い分ZARAの方が高いのです。

ここに原価の不思議がありますので、次に述べたいと思います。

原価率が高い商品は良い商品なのか?原価率が高い3ブランドで考察してみる。

はっきり言って物によりけりだし、ブランドによって方向性も異なります。

服の値段を構成する要素も、生地代や製造・品質管理コスト、デザイン料など様々なコストがあります。

原価は、それらの要素を全部ひっくるめたものですので、どの要素にどのくらいの割合でコストがかかっているかわかりません。

ここで、先に挙げた3ブランドを例に挙げながら解説していきます。

ユニクロは品質面でのコスパが良いと書きましたが、理由の一つに大量生産があります。

大体のものは大量に作れば作るほど単価が下がります。

ユニクロの売り方は、大量生産で単価を極力下げたうえで、あの原価率の高さですので、そりゃコスパはいいです。

対して、ZARAは少量を短期間で生産し売りきる販売スタイルなので、製造コストがユニクロに比べて高くなり、原価の中で占める割合も上がります。

また、短期間で大量のデザインが必要となりますのでデザインチームも多く抱える必要があり、そのコストも乗ってきます。

結果、生地にかかるコストが下がり価格の割にユニクロと同じか低い品質になってきます。

では、UNITED TOKYO,PUBLIC TOKYOはどうかといえば原価の要素を全体的に良く設定しているために、販売価格が高いです。

間違いなくコスパに優れていて、ネットにおける評判も非常にいいです。

しかし、価格の高さを考えると、「もう少し出してネームバリューのある方がよいのでは?」と考えられる器用貧乏感も若干あります。

最後に

原価率が高くなっても、商品の品質が良くない場合もありますし、デザインや品質、価格のどれを重視するかは個人の価値観により違います。

商品の良し悪しにおける原価率なんてものは、あくまで目安です。

そんなものを気にするより自分の服に対する価値観をはっきりさせ、その価値観に沿った服選びができるよう、見る目を養う方が、よほど大切です。

ただ、服にあまり興味がないが、最低限以上は整った格好をしたいのであれば、HPを参考にしながら原価率の高い3ブランドの商品をミックスして使用すれば十分整った格好が出来ます。

私みたいにプライドを捨ててセール商品ばかりを購入すれば流行の流れを気にしなければなりませんが、コスパよく購入することもできます。

(店舗側からすれば嫌な客ですが、一定数は必要なもんです)

原価率に振り回されず、自分にあった服選びをしましょう。

以上、参考になれば幸いです。

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